(84)ブラジル人の “人生における後悔事項” ランキング

サンパウロ市内の渋滞

大都会サンパウロの渋滞は、ダウンタウン、郊外を問わず、半端ではない。ラッシュ・アワーのそれは、毎日40キロにも及ぶ。最近はラッシュ時でなくても、市内は常時渋滞状態になりつつある。好景気のせいで、市内で販売されている新車は毎日2千台を越えるという。中古車市場も好調で、それを加えた車が毎日新たに道路に吐き出されている訳で、今後も渋滞が緩和される見込みはゼロに等しい。

対策として、ナンバープレートの末数字で、週一回市内への乗り入れを禁止する施策がとられたが、最近ではそれも効果薄になっている。というのも、例えば車を2台所有していた家族は、ナンバープレートの末数字の異なる車をもう一台購入して3台をタライ回しに使って、相変わらず車で出かけるからだ。

ラッシュ時でなくても渋滞するダウンタウン

他には、商店に品物を搬送するトラックは、昼間の市内乗り入れを禁じられたが、それに替わって荷物を数台のバンなどに分散して、市内に乗り入れるようになっただけで、結果的には以前と大差がない。

地下鉄の路線が、かなり急ピッチで拡張されているが、通勤をバスからメトロに取り替える人たちはいても、ステイタスにこだわるマイカー族たちは、通勤を地下鉄に鞍替えすることは、ほとんどない。ちなみに、市内と郊外を走行するバスの数は減っていないので、将来的に地下鉄の恩恵で渋滞が緩和されることは、まず考えられない。

サンパウロ市内の住宅は、もうかなり以前から飽和状態で、家賃がベラボーに高く、市外の半径100キロ以内にある町々は、ベッドタウンとして人口を増やしている。住民たちは、通勤を車に頼る人たちがほとんどで、自宅から60~70キロまでは、数10分で快適に飛ばせるが、サンパウロまで残り20~30キロになった途端に渋滞が始まり、そこから2時間近くかかるため、明け方の5時には家を出なければならない。

ベッドタウンからサンパウロに至る街道のラッシュアワー

私は、サンパウロから90キロの、グアルジャー島に住んでいるが、週に一度はサンパウロに出かける。つい先日、サンパウロで9時半に健康チェックアップを予約していたので7時に家を出たところ、案の定、残り20キロ地点で渋滞に巻き込まれてしまった。手持ち無沙汰なので、FM放送のニュース番組に周波数を合わせたところ、キャスターの興味深いトークが耳に飛び込んできた。

それは、最近発売されたある本の紹介で、著者は老人ホームの女性看護士で、タイトルはおおよそ「人生の終焉における、後悔事項のランキング(意訳)」といったものであった。

著者は職業上、残り少ない人生の日々を見据えながら過ごす人たちと会話をする機会が多く、彼(女)らが自らの人生を振り返って様々なコメントするのを、毎日のように耳にしているうちに、それを書き留めるようになり、今回、それをまとめて本にすることを思いたったのだという。

さて、そのランキングであるが、これが極めて興味深い。

1位:人が望んだ生き方でなく、自分が望む生き方をしたかった。

2位:働き過ぎた人生だった。

3位:もっと自分自身の幸せを求める生き方をしたかった。

4位:友人たちと過ごす時間を、もっと多く持ちたかった。

5位以降は、渋滞していた車が動き出したので、聞きそびれてしまった。

このランキングを見る限り、ブラジル人は、「人の意見を尊重し」「勤勉で」「自分より人の幸せを優先させ」「家族思い」の国民であるように感じられる。 私は、日本の人たちの後悔事項ランキングは、果たしてどのようなものなのだろうかと、ふと思った。

その後は、ノロノロと動き出した車の行列に動きを合わせ、ブレーキとアクセルをひんぱんに踏み変えながら、自分は死期が迫ったとき、人生を振り返って、何に後悔するだろうかということに、思いを巡らせていた。

取り敢えず、ブラジル人の1位から4位までのランキング事項のいづれも、自分にとっては後悔の対象にはなりそうにない、と思った。思い当たる事項をあげれば、「馬術に夢中になりすぎて勉強をおろそかにした」「祖国を捨てて、ブラジルに来た」「転職を繰り返した」「女性に目がなく、離婚を3回した」「ゴルフばかりした」などだろうか。

しかし、これらのどれも、きっと後悔の対象にならないだろうと思う。というのは、もう一度生まれてきたら、また同じような人生を、性懲りもなく繰り返すような気がするからだ。

結局その日は、予約の時間に間に合わず、30分遅刻してしまい、チェックアップが出来なかった。7時ではなく、6時半に家を出るべきだったと思ったが、「後悔先に立たず」で、結局改めて予約を入れただけで、引き返した。ちなみに、帰路はスイスイと車が走り、一時間足らずで家に着いた。   (完)

mshoji について

兵庫県神戸市出身。1960年、県立神戸高校卒業後にブラジルに単身移住。サンパウロ・マッケンジー大学経営学部中退。貿易商社、百貨店でサラリーマンを経験後に独立。保険代理店、旅行社、和食レストランの経営を経て、現在は出版社を経営。ブラジル・サンパウロ州サントス沖グアルジャー島在住。趣味:ゴルフ、乗馬、社交ダンス、カラオケ、読書、料理。twitter:@marcosshoji
カテゴリー: その他、色々 パーマリンク

(84)ブラジル人の “人生における後悔事項” ランキング への1件のフィードバック

  1. P.Marquis より:

    私の場合はブラジルの人の反省の反対で甘えた人生で、もっとまじめに働き、やるる事がもっともっとあったと反省してます、すべて楽な方向、責任回避、ブロードウエーのミュージカルHOW TO SUCCEED
    WITHOUT ANY EFFORT そのままです!!!
    生まれ変わったらもっとまじめに生きます!!!

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