(73)もう一つのお祭り・フェスタ・ジュニーナ

国民的祭典のカーニバルと並んで、もう一つの、ブラジルで最もポピュラーなお祭りは、フェスタ・ジュニーナである。名前の由来であるジューニョ(6月)は、南半球では冬に当たり、夜空に燃え上がる巨大な焚き火をシンボルにして、田舎をテーマにした野外パーティーで、老若男女が一同に会して飲んで食べて唄って踊る、素朴で愉快なお祭りである。

この祭りの原型は、6世紀にヨーロッパに於いて、バチカンがキリストを洗礼した聖ジョンの生誕日である6月24日を記念して祝ったことに始まる、キリスト教の行事であるといわれている。それが13世紀になって、ポルトガルが同じ日に、さらに聖アントニオの誕生日と、聖ペドロの命日の二つ意味を加えて、いわば、合同記念祭を催すようになったものが、ブラジルに伝えられたといわれている。

一方で、ヨーロッパ北部の農村で、夏至に当たる6月22ないし23日に、待ちわびた夏の到来を祝いながら、その年の豊作を祈って焚き火を囲んで、行われていたお祭りが元になっている、とする説もある。

いずれにせよ、ポルトガル人が始めてブラジルにこの習慣を持ち込んで以来、今日に至るまで、毎年6月になると、農村から都会に至るまでのブラジル全土で、焚き火がたかれ、花火が上がり、無数の気球が空に放たれる伝統的な野外祭りとして、フェスタ・ジュニーナは盛大に盛り上がるのである。

華やかでセクシー、そして躍動感に溢れるカーニバルと比較すると、フェスタ・ジュニーナは地味で、子供からお年寄りまでが一同に会して、和気藹々とした家庭的な雰囲気の中で繰り広げられるお祭りである。