(54)ブラジル人の生活様式・I(衣)

夏のファッション「フレンテ・ウニカ(前だけ)」

ブラジルは、北半球の一部から赤道をまたいで、南緯30度に達する広大な国土を有している(日本の23倍)。熱帯、亜熱帯、温帯にまたがっているので衣食住のどれをとっても均一性がなく、多種多様であるが、最も人口の集中しているサンパウロ州を中心にした南部地方にしぼって、ブラジル人の一般的な習慣を描写してみることにする。
先ず、衣・食・住の衣であるが、熱帯のアマゾン地帯の住民は、一年中パンツ一枚でも過ごせるが、サンパウロ州は気候に四季の変化がかなりあって、年間を通じて衣替えは避けられない。季節は日本の正反対で、日本の真冬はブラジルでは真夏になる。州都のサンパウロ市は、標高800メートルの高原にあり、真夏の気温は摂氏40度近くになる日もあるが、空気が乾燥しているので、日蔭や屋内に入るとヒンヤリと涼しい。男性のホワイトカラー族は、夏でもスーツにネクタイでの通勤となり気の毒だが、この季節の女性の服装は見応えがある。特に若い娘たちは、競って肌をあらわにして街を闊歩する。おなか丸出し、背中丸出しなどは上品なほうで、ホットパンツやミニスカート、胸に布切れを巻いただけのスタイルも珍しくない。

ブラジル人はジーンズが大好き

海浜地帯に行くと、水着姿がさらに大胆で楽しい。ブラジル女性は一般的に小柄であるが、プロポーションは抜群で、小麦色に焼いた肌を惜しげもなく披露してくれる。特に「フィオ・デンタール(糸楊枝)」と呼ばれるビキニの水着は、極細のヒモが割れ目に食い込んだもので、とても着ているとは言えないシロモノであるが、男性にとっては目の保養になる。
男性の普段着は、シャツとズボン(老若男女ともジーンズを好む)という欧米のスタイルとほぼ同じで、男女とも特に民族衣装とされるものはない。
ブラジルの春と秋は、いずれも日本の初夏に相当する気候で、日中は結構暑いが、朝晩は涼しい。朝出かける時はセーターをはおり、昼間は脱いで仕事をし、夜にまた着て帰ると丁度よい気候である。
冬は、最南部の一部の山岳地帯を除いて降雪はないが、サンパウロ州では朝晩摂氏5度前後まで下がる日も何日かある。この時期には、女性たちはとっておきの冬の

ブラジル・ギャルのミニスカート

ファッションを競う。このときとばかり、クローゼットからエレガントな毛皮のコートなどを引っ張り出して、ブーツを履いて街に繰り出す。しかし、昼間急に気温が上がることがよくあるので、そんな日は汗をかきかきコートを着て歩いている女性を見かけることがある。そんな女性がシャツ一枚の男性とデートしている光景は、ブラジルならではのユニークなコントラストであろう。
ファッションといえば、ブラジル人の女性たちは一部の人たちを除いて、あまり流行にこだわらない。日本では、ミニスカートが流行といえば、少々足が太くても猫も杓子もミニで歩いたりするが、ブラジルでは、足に自信がなければミニははかない。色の流行もまたしかりである。流行が紫といえば、日本中の女性が紫系を競って着るが、ブラジルでは「私、紫は嫌いよ」でおしまいだ。
女性たちは、パーティーだ、結婚式だ、会食だ、と次々にドレスを新調する。その都度、違った服装でイベントに出席するのは、女性のステイタスの象徴でもあるから

ブラジル女性はパーティー好き。その度にドレスを新調する

だが、それぞれ個性的で、自分に似合う服装と色合いを実によく心得ている。普段着も、流行に関係なく、色とりどりで一人一人が個性にあふれている。
春と秋は気温の変化が激しく、一日で春夏秋冬の変化がある日も多いが、こんな時期にはどの温度に合わせた服装で外出すべきか、というのがブラジル女性にとって、毎日の悩みでもあり、楽しみでもある。セーター、ブラウス、Tシャツ、半袖、長袖など好きな格好で、個性的な服装の女性が入り乱れて歩いている風景は、ブラジルならではのもので、見ていて楽しい。
男性のファッションは、ビジネスマンならスーツを着るので、あまり流行には左右されないが、色は日本のサラリーマンのように、紺かグレー系に偏っているということはなく、色合いは豊富で、明るい色も多い。冬でも、男性がスーツの上からコートをはおることは少ない。寒い日は、ワイシャツの上にセーターを着込んでから上着をつける。昼間暑くなれば、セーターを脱げばよいから便利なのだ。

スーツは明るい色が好まれる

ブラジル人の下着の習慣はどうかというと、女性はパンティーとブラジャー以外の下着は、まず使わない。シャツでもスカートでもセーターでも、そのまま着てしまう。寒い日でもスリップを使う女性は少ない。
男性の下着は常にパンツ一枚である。ワイシャツは肌着を兼ねて直接着る。寒ければその上にセーターやベストを温度に応じて重ね着をする。肌着のシャツやズボン下(ロングパンツ)の類を身につける習慣はない。 (完)

mshoji について

兵庫県神戸市出身。1960年、県立神戸高校卒業後にブラジルに単身移住。サンパウロ・マッケンジー大学経営学部中退。貿易商社、百貨店でサラリーマンを経験後に独立。保険代理店、旅行社、和食レストランの経営を経て、現在は出版社を経営。ブラジル・サンパウロ州サントス沖グアルジャー島在住。趣味:ゴルフ、乗馬、社交ダンス、カラオケ、読書、料理。twitter:@marcosshoji
カテゴリー: その他、色々, (き)気候が快適, (ラ)ラテン気質は陽気 パーマリンク

(54)ブラジル人の生活様式・I(衣) への1件のフィードバック

  1. marquis より:

    日本の女性も男性も非常にファショナブルになり、非常に多様化し各々が個性を主張するようになりメーカーも昔はミニが流行ればそれだけ作れば良く楽でしたが、現在は大変です、男のスーツスタイルもネクタイをしなかったり、色、柄、シルエットもシーズン毎に変化しております、若い人たちのファッションセンスは世界一です、タイトで丈の短い2Bジャケットに細いシルエットのパンツのスーツが今風です。

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