(34)ブラジル人とセックス

ブラジル人たちはセックスが大好き

2007年に発表された、コンドーム・メーカーによる世界規模の性意識実態調査の結果によると、ブラジル人の平均セックスの回数は145回/年で、世界2位であった(1位はギリシャで164回/年)。ちなみに、最低は日本で48回/年であった。

その昔、日本の何かのものの本で、人間(日本人)の一生に於けるセックスの回数は、4000回とあったのを目にした記憶がある。単純計算をすると、ブラジル人は、20~50代の40年間で5800回、60代には半減したとして、優に6000回はセックスをすることになり、日本人の常識を遥かに越える絶倫ぶりである。逆に最近の日本人は、何故か以前に比べてセックスが弱くなったとみえて、過去にいわれていた4000回は既に幻の数字で、50年かけてもせいぜい2400回どまりの計算になる。

ブラジルでも時々、この種の実態調査の結果が雑誌に掲載されたりするが、それによると、男が生涯で性交渉をもつ女性の数は、南米ではブラジル人が最高で平均12人、次いでペルーの10人で、南米全体の平均では7人となっている。

またブラジル人の18~70才の63%が、週3回の性交渉をもつと回答しており、女性は60%、男性は68%が、セックスに「満足」または「大変満足」していると答えている。「まぁまぁ」以上の回答となると、女性が86%、男性は92%にもなる。特筆すべきは、81%が「前戯に満足」と回答していることで、ブラジル人のセックスの濃厚さが窺える。

カップルで参加するテレビのクイズ番組で、夫婦別々に週のセックスの回数を聞いたところ、夫は6回、妻は3回と答え、後で夫の回答を知った妻とひと悶着あったという。前出の回数の話は、内と外との合計であることは、いうまでもない。

最近読んだ日本の小説に、興味深いくだりがあった。

定期的に呑み会を実施している40才間近の同窓生たち(男性)4名の会話であるが、最近彼らの間で交わされる話が、以前のように盛り上がらない。そこで、皆で盛り上がっていた頃の話題について回想してみると、それはいつも「女性」に関することであったという結論に達した。

「みーんな、もう男じゃない。女房が女じゃないように、俺たちも男じゃなくなった。亭主とか、親父とかオッサンとか、そういうものに変ったんだ。だから、女の話なんて、したくてもできないんだ。」「俺は、女性をじろじろ見ることさえ遠慮している。そんなことをしたら、変態オヤジだと思われるからだ。世間から見れば、俺たちはオヤジ。男ですらない。」「男に戻りたければ、風俗に行くしかない。」

これから想像すると、日本では、結婚して子供ができると、夫婦は寝室を別にして、妻とのセックスの回数は激減し、家庭内ではひたすらセックスレスへの道を歩み始める。かといって、世間体を気にして、外で他の女性とつきあう訳でもない。すなわち、はやばやと男であることを放棄してしまうケースが一般的だ、ということのようだ。

これを読んで、40才前後の、既婚者のブラジル人たちによる男同士の呑み会では、どのような会話がなされているか、と考えてみた。きっと、独身同士以上に「女性」の話で盛り上がっている筈だ。その理由は、話に、独身時代にはなかった、禁断とスリルの要素が加わるからだ。最近モノにした女性の話、時々会っている女性の話、今口説きが進行中のイカした女性の話など、話題に事欠かない。ブラジル人は、日常生活のなかで、チャンスさえあれば、女性を口説く。例えば、通っている歯医者の秘書、ゴルフ場のキャディー、行きつけのショップの売り子や美人レジ、馴染みのレストランのウエイトレス、ジムのインストラクターなど、接客に携わっている女性たちがターゲットになり易い。特に40才くらいは、経済的にも余裕がある男盛り、じっとして何もしないでいる男の方がまれだ。ブラジル人たちは、何かにつけて「差別」することを嫌う。女性は、人種はいうに及ばず、既婚者、中年、熟年、社会的地位なども、特に差別をすることはない。それに彼女たちは一様に、口説かれることが嫌いではなく、ある種のステイタスだと思っている。顔なじみになって、フィーリングが合えば、相手男性の年令を差別することなく、食事の誘いに応じてくれる場合だってある。

また、中年の男性たちは、街を歩いているセクシーな女性に対して、遠慮の無い視線を注ぐ。中にはわざわざ立ち止まり、振り返って後ろ姿を見送る輩もいる。そんな男同士の目が合うと、お互いに頷きあったりする。変態、スケベー呼ばわりされるどころか、イカした女性を見向きもしない男は、逆にゲイとみなされても仕方がない。一方の女性の方も、見られることを承知の上で歩いているので、気を悪くすることはない。ただ、妻を同伴している場合は、彼らは他の女性は見ても見ぬフリをする。その豹変ぶりと、役者ぶりは、実に見事である。

また、前出の会話で、風俗の話にふれていたが、実態調査によると、ブラジル人男性の53%が、金銭を支払ってセックスした経験があると答えている。その61%が41~60才だ。

その一方で、ブラジル人男性は恐妻家が圧倒的に多い。家庭での良き亭主像と、外におけるエッチなラテン男の二つの顔を、実に器用に使い分ける。そんな男同士の会話や行状が、妻たちの耳に届くことはまずない。それほど、こと女性関係の話に関しては、男同士の結束と口は固く、ガッチリと「男の世界」のガードを固めている。私の友人で、浮気をした日には必ず妻を抱く、という涙ぐましい努力をしているブラジル人がいるが、お互いにそんな苦労を知っているからこそ、結束が固いのかも知れない。

それでもたまに、上手の手から水がもれて、妻にバレるようなことがあると、ブラジル人の妻は黙ってはいない。口論が嵩じると、弁護士が中に入ってすぐに離婚話に発展するケースが多い。それでもブラジルの離婚率は25%(17万件/年)で、日本の30%(25万件/年)に比べるとずっと少ないということは、ブラジルの亭主が外で余程上手くやっているのか、はたまた家庭内セックス回数と関係があるのかどうか、興味深いところだ。(人口:ブラジル1,9億、日本1,3億)

浮気か不倫か?ブラジルの倫理は?

先の日本の小説で、浮気と不倫に関する供述があった。「配偶者以外の異性と個人的に会ったりしたら、すでに浮気」「妻や夫にバレないようにすることは必要だけれど、デートくらいはいいのじゃないかな。むしろそれくらいドキドキ感があったほうが、人生が楽しくて、結果的に夫婦関係もうまくいく。キスくらいまでは、許されると思う。やっぱりセックスをするかしないかが、境い目」「一度キリなら浮気、継続性を感じさせた場合は不倫」これを見ると、セックスに関する倫理観がブラジルとは大きな違いがあることが分かる。

ブラジルに浮気と不倫の差を定義するという考え方はない。いわば、おいしいメシを一緒に食べるのと同じような感覚で、女性と付き合う、という表現があたっているかも知れない。それをイチイチ定義付けるような面倒な考え方はしない。勿論リスクは承知の上なので、バレないための配慮は怠らない。ブラジルには、浮気ならOK、不倫はダメよ、などと寛大な配慮をしてくれる妻は皆無だからだ。

さて、これらの統計や、一般的なブラジル人のセックス・ライフに、日系人たちも含まれているかどうか、また、そんな社会に住んでいる、私のような日本人はどうなのだろうか、ということは興味のあるところだろう。

日系ブラジル人に関して言えば、倫理観についてはおおむね一般ブラジル人と変りはなさそうだ。ただ、回数については、統計はないが、彼らとの話で想像する限り、非日系人と比較すると、少ないように思われる。日系人男性と非日系のブラジル人女性が結婚した場合、この差が不和の原因になることがある。

ブラジルに在住している日本人に関してはどうかというと、かなりブラジルの習慣に感化されていて、セックスに関しては、明らかに日本在住の日本人とは異なる倫理観をもっていると言えるだろう。郷に入れば郷に従った方が、この社会で生きてゆくには、より自然だからだ。

つい最近、シニア・ゴルフツアーに参加している日系二世たち5名と食事をする機会があった。いずれも60才をとっくに越えているが、話は今使っている精力剤についてのことに終始した。体質に個人差があるので、色々試してみて、それぞれ自分に最も合う薬をちゃんと見つけて愛用している。中には、もっぱら中国や韓国製を愛用しているものもいて、原料が自然物なので弊害がなく、効果は抜群である、などと供述している。

いずれにせよ、ブラジル人たちは60代になると、さらにクリエイティブにセックスの可能性を追求する人たちがほとんどで、私はこれまで、この年代で男性であることを放棄したブラジル人にお目にかかったことがない。           (完)

mshoji について

兵庫県神戸市出身。1960年、県立神戸高校卒業後にブラジルに単身移住。サンパウロ・マッケンジー大学経営学部中退。貿易商社、百貨店でサラリーマンを経験後に独立。保険代理店、旅行社、和食レストランの経営を経て、現在は出版社を経営。ブラジル・サンパウロ州サントス沖グアルジャー島在住。趣味:ゴルフ、乗馬、社交ダンス、カラオケ、読書、料理。twitter:@marcosshoji
カテゴリー: (ジ)人種差別がない, (ラ)ラテン気質は陽気 パーマリンク

(34)ブラジル人とセックス への10件のフィードバック

  1. ボサ好きはがんばらなくっちゃ…タネないけど。

  2. Han-Koh Chung より:

    以前セックスが大好きなのはフランス人だと聞いていましたがブラジル人も見劣りしませんね。

    • mshoji より:

      台湾の、しかも女性の方からコメントをいただいたことに、少し驚きました。台湾の方たちのセックスライフについての統計には、お目にかかったことがありませんが、実情はどうなのでしょうか?

  3. Han-Koh Chung より:

    がっかりするかもしれませんが私は男で昭和58年(1983年)10月1日生まれです。1983年は任天堂のファミリーコンピューターが発売された年で前の1982年はモナコのグレース・ケリー王妃が車の事故で亡くなられた年で後の1984年にはフランスの映画界の巨匠であるフランソワ・トリュフォー監督が逝去されました。台湾は日米やフランスと違って偽善で保守的な国でAVや性に対してはバチカンよりもバチカンで私自身は結構大胆で奔放なオープンな性格なんです。

  4. urshinho より:

    はじめまして。
    ブラジルの既婚女性の場合は、どうなのでしょうか?
    不倫を両立させる傾向は多いのでしょうか?
    よろしくお願いします。

    • mshoji より:

      ブラジル男性は、同性の女性との交遊に関しては、お互いに非常に口が堅いのですが、女性は一般的に、噂話、陰口が大好きで口が軽いため、浮気は余程うまくやらないと、すぐにバレてしまいます。浮気が元で離婚に至った場合、条件がいちじるしく不利になるので、所得のない扶養家族的な女性は浮気には極めて慎重です。ただし、所得のある女性はその限りではないと思います。

  5. Nori-pee より:

    日本の場合、男性の浮気が女性にバレるというより、女性が勘づくということが多いようですが、ブラジルは、どうですか? 例えば、いつもオープンに家族や親戚に彼女を会わせているのに「今度の連休は親戚が来るから会えない」と言って、女性が、今回に限って会えない理由を聞いただけで怒るとか。
    また、女性がこうすると男性は浮気を踏みとどまりやすいというのは、ありますか?
    お察しの通り、私の日系人の彼氏のことなんですけどね・・・

    • mshoji より:

      コメント、ありがとうございます。
      勿論人にもよりますが、ブラジル人はおおむね、女性からの誘いに弱いようです。パートナー(妻、彼女など)に、特に不満があるわけでないのに、他の女性との浮気のチャンスがあれば、乗りやすい男性が多いようです。パートナーの浮気に気付いた場合、女性には、1)徹底的に問い詰め、離婚(別離)も辞さない、2)わざと気付かないフリをする、3)冷静に話し合う、などのタイプがありますが、あなたはどのタイプでしょうか?どちらかといえば、3)のタイプが少しは効果があるかと思います。

      • Nori-pee より:

        ご返信有難うございました。
        個人的なことを少し長く書きたいので、返信は、メールで送らせて頂きます。

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