(26)神の恵み・ココナツ・ウオーター

青い海、白い砂浜とやしの木。ブラジルの海浜の象徴的な風景

やしの実、ココナツ

「♪・・トロピカルにある僕の国は、神に祝福され、自然のままで美しい、すばらしい国・・♪」という歌詞のサンバが数年前にブラジルで大ヒットし、この国を最も端的に表現している歌として、何かにつけて人々が口ずさむ。

自然といえば、やしの木ほど、ブラジルのトロピカルの雰囲気をよく表しているものはない。北から南まで、9千キロにわたって続くブラジルの海岸線の、白い砂浜にたたずみ、青い海を見つめているやしの木は、この国の象徴である。

雨にも、海辺の強風にも、灼熱の太陽にも負けずに、じっとたたずむやしの木は、陽気で我慢強いブラジル人たちに似ているせいか、彼らが最も愛着をもっている木で、多くのブラジル・ポピュラーミュージックのテーマにもなっている。彼女と浜辺のやしの木の下で待ち合わせる「コッケイロ・ヴェルデ(緑のやしの木)」や、故郷のやしの木を懐かしんだ「コッケイロ・イタポアン(イタポアン浜のやしの木)」などは、誰でも知っているヒット曲だ。

ブラジルに来てすぐ、苦境期でホームシックになりかけの時に出会った詩にも椰子が描かれていて、感傷的になった想い出がある。

流離の歌 (ゴンサルベス・ジアス)

わがふるさとに 椰子ありて   サビアひた啼く そのかげに

ここにしてきく さえずりの   似るよしもなき うれいかな

この国に見む すべもなく   麗しきもの 得もせずに

サビアひた啼く かの椰子に   また逢うことも あらずして

大きいもので30メートル以上になるやしの木は、一本辺り年間に最大75個のココナツを実らせる。緑のココナツの中味は、約500ccのココナツ・ウオーターと、白い果肉である。海辺のキオスクには、必ずよく冷えたココナツが置いてあって、砂浜で遊んでいたり、通りすがりの人たちが気軽に立ち寄り、大きな蛮刀で切り口を入れてもらって、ストローで喉に流し込む。いわば、天然のポカリスエットのような味で、暑い日などは、最高に旨い。ちなみに値段は2レアール(100円)だ。

海辺にあるゴルフ場では、ホールアウトしたプレーヤーたちは、ビールで喉を潤すが、アルコールが苦手な人たちは、冷えたココナツ・ウオーターで相伴する。

ココナツ・ウオーターは、身体の水分調整に重要な、ナトリウムとカリウムなどのミネラルに富んでいるだけでなく、骨を丈夫にして成長を促すマグネシウムも豊富に含んでいる。

ウイスキー党の私は、ココナツ・ウオーターを冷凍庫で氷にして、オンザロックでスコッチ・ウイスキーをチビチビやるのが大好きだ。スコッチのココナツ水割りも、一度やるとクセになる。少々量が過ぎても、まず悪酔いすることがないところが、なによりも気に入っている。

やし水を抜いたあとで、ココナツをパカッと割ると、直径10センチ程の茶色の毛玉が出てくる。それをさらに割ると、やし油やココナツ菓子の材料になる、真っ白な果肉が表れる。匙でひっぱがして、そのまま食べてもサクサクしていて美味しい。

こんなに有難い果実を、安価に、いつでもふんだんに手に入れることのできるブラジルは、歌の文句じゃないけれど、本当に神に祝福された国だと、私はつくづく思う。          (完)

mshoji について

兵庫県神戸市出身。1960年、県立神戸高校卒業後にブラジルに単身移住。サンパウロ・マッケンジー大学経営学部中退。貿易商社、百貨店でサラリーマンを経験後に独立。保険代理店、旅行社、和食レストランの経営を経て、現在は出版社を経営。ブラジル・サンパウロ州サントス沖グアルジャー島在住。趣味:ゴルフ、乗馬、社交ダンス、カラオケ、読書、料理。twitter:@marcosshoji
カテゴリー: (き)気候が快適, (ラ)ラテン気質は陽気 パーマリンク

(26)神の恵み・ココナツ・ウオーター への2件のフィードバック

  1. kumazawa kazuhiro より:

    心が感じられます。ビバ  ブラジル 

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